義肢と装具の違い

こんにちは。共同執筆者のKyoです。

切断者や義足のことをよく知らない人から、義足のことを”装具”と言われることが度々あります。
知らない人からすれば義足も装具も同じと思うかもしれませんが、本来は全く違うものです。
用語的にも実用的にも、似て非なるものです。

まず、用語的な違いを私なりの解釈で説明します。
※公式の言葉の定義を知りたい方は、日本義肢装具学会などのHPをご参照ください。

装具には「装う」という字が使われています。装という字には「飾り、整える」という意味があります。
つまり、装具とは自分の体を整えるものです。

義肢には「義」という字が使われ、これには「実物の代用」という意味があります。
つまり、義肢とは欠損している体を補うものです。

■体は欠損していないが、機能を失っている等の場合それを整える→上肢装具、体幹装具、膝装具、足底装具など。
■体の一部が欠損していて、それを補う→義眼、義手、義足、義耳、義鼻など。ほかに人工◯◯などがあります。


これは私個人の見解ですが、義足と装具は実用的な影響力も全く違います。

例えば、あなたの片足が麻痺してしまったとします。手すりや杖を使ってなんとか歩くことができますが、膝より上あたりから痺れと感覚の鈍さがあり、足先は力がうまく入りません。
そこで、下肢装具を使います。支柱がついていて足首も固定されているので、足を地面につけてしっかりと立つことができます。

これを義足に当てはめてみます。
例えば、あなたの片足を膝より上から切断したとします。どこかに掴まっていればもう片方の足で立っていることはできますが、両足で立つことや歩くことはもちろん不可能です。
そこで、義足を使います。代わりとなる足・膝・ふとももがあるので、足を地面につけてしっかりと立つことができます。

比較してみていかがでしょうか。

装具とは、必ずしもなくてはならない状況とは限りません。なぜならば、それは言葉の意味通り「整える」役割が基本だからです。麻痺を消失させたり、歩行をアシストする機能はなく※1、あくまでも自分の体をメインとして足りない機能を補うものなのです。
※1…効用が期待できるものもあります。

それに対し、義足は”なくてはならない”状況である場合が多いです。
装具のように「支える、安定させる」などといった補助的な役割ではなくて、自分の足の代わり≒自分の足になるわけですから。お尻でずりハイしていたり、車椅子で移動していたりする状況が、義足一本履くことで立ったり歩いたり走ったりすることができるようになるのです。
義足の影響力はとても大きいと感じます。
もちろん障害度合いなど個人によってさまざまなので、そうでない方もいらっしゃいます。また、あくまでも影響力の話であって、優劣を問うているのではありません。

義肢と装具どちらにも共通していることは、体につけるものであることと、補うものであること、この2つです。補うという点においては、装具は機能面を補い、義肢は身体そのものと機能面の両方を補うことになります。


これは余談ですが、下肢装具をつける状況になると、まず拒絶する人が多い印象です。(※私個人の見解です。)
「自分の足があるから装具はいらない。」
「いつか麻痺が治るかもしれないし、装具がなくても困らない。」
「装具をつければ劇的に歩けるようになると思っていたのに、いざつけてみると重かったり足に傷ができたりする。その割にはそこまで歩きやすいと思わない・・・」
こういう方々もいます。

義足においては、義肢装具士の腕によって義足の影響力は大きく変わってきます。
痛かったり不快だったり不安定だったりすれば、自分の足の代わりには到底なり得ません。

義足が個々人に適しているかどうか。
どこまで義肢装具士が尽力してくれるか。
どこまで本人が義足を使いこなせるか。
これらが義足人生を歩む鍵になると考えます。


  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次