さまざな障害-うつ病-

みなさんこんにちは。
さまざまな障害シリーズをお読みいただきありがとうございます。切断や義足と関連のある疾患・障害について語る本シリーズ。ラストとなる今回は、うつ病について語ります。

なぜ、うつ病をテーマに取り扱うのか。
簡潔に申し上げますと、うつ病を患い自殺未遂をして、四肢を切断してしまうことがあるからです。

ここで、自殺と人身事故(飛び込み自殺)について説明していきます。

自殺とは、自らの意思あるいは心の病や脳機能の故障によって、自分ではない外部の物理的な力を利用し、自らを死に至らしめる行為です。
自殺の中でも一番多い方法は首吊りだそうです。他にも、飛び降りや溺死などの方法がありますが、年間数パーセントの人が『鉄道を使った飛び込み自殺』を選んでいます。
参考資料:手段別にみた自殺方法(厚生労働省)

通勤や通学で電車を利用している人は、人身事故を何度か経験しているはずです。
誤って線路内に転落する場合や自殺を試みて飛び込むなど、人身事故の原因はさまざまです。一見簡単に死ねるのではないかと思わせますが、実はかなりの苦痛を伴うそうです。参考資料によると、完全に苦痛から逃れる飛び込み自殺の実施は極めて困難であるとし、身体の一部が轢断(れきだん)された状態で救助されることがあるといいます。

参考資料:EE TIMES japanの江端さんの連載記事
データは語る、鉄道飛び込みの不気味な実態
1/100秒単位でシミュレーションした「飛び込み」は、想像を絶する苦痛と絶望に満ちていた

つまり、自殺に失敗して生き延びたものの、その後の人生は「切断者」になる人が一定数いるということです。


鉄道による切断は腫瘍や事故などの切断原因とは異なり、複雑で多様な切断条件となることが多いです。
例えば、三肢切断や片側(手と足)切断や両大腿切断など・・・ほかにも頭部外傷や脳損傷に伴う高次脳機能障害を併発していたりと、”難しい症例”になりやすい印象です。
1990年と古い文献になりますが『精神障害を伴う下肢切断者の問題点と特徴』にも、鉄道による轢断の特徴として、下肢切断症例は両側切断が多いと述べています。
切断者として生きていくことや、義足歩行獲得に関して、身体面・精神面ともに厳しい試練が待ち構えていると想像します。

ここでうつ病の話をしましょう。

自殺者のうち7割以上の人が抗うつ薬を服薬しているという報告があるように、自殺の原因のトップでもあるうつ病は、特定の性格や気質を持った人だけに発病するのではなく、万人に平等に、いつでもどこでも発病しうる病気といわれています。
重症になると死ぬことだけを考えるようになり、自殺を企図し実行してしまうそうです。

切断に至る経緯はさまざまあれど、自殺、その背景にあるうつ病も、切断原因の一つであることがお伝えできたでしょうか。
また、四肢を切断したあとにうつ病を発症する方もいます。

ひとりひとり何かしらの事情やそれによる苦悩を抱え、「切断者」として生きていると思います。
自殺にせよ事故にせよ、思い出したくないこと、語りたくないことが誰しもあるでしょう。
初対面や親しくない間柄で、安易に切断原因を尋ねたり不躾な質問をしたりしないよう心がけたいものです。

今回でこのシリーズは最後になりますが、次回はさまざまな障害シリーズについて、石川さんと語った内容を対談形式でまとめたものをアップします。どうぞお楽しみに!

参考資料:
うつ病自殺7割が精神科を受診 「抗うつ薬」安易な服用に懸念(Jキャストニュース)
自殺の状況をめぐる分析(厚生労働省)
元鉄道員が告白、人身事故の凄惨な現場と鼻に残るアノ臭い「どうせなら別の場所で」(週刊女性prime)

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