さまざまな障害-骨腫瘍-

こんばんは。共同執筆者のKyoです。
「さまざまな障害」シリーズでは、切断や義足に関わる障害や疾患をテーマにしています。これまで脊髄損傷、糖尿病について語りました。第三回目となる今回は、骨腫瘍についてです。

足を切断する原因のひとつに腫瘍(がん)があげられます。
骨にがんが発生するものを骨腫瘍といい、他の臓器に発生したがんが骨に転移するものと、骨自体からがんが発生するものの2種類があります。

後者のほとんどは骨肉腫が占めていて、骨肉腫の日本での新患数は年間200-300例程度と推計されています。約半数が10歳代に発症し、膝関節や肩周囲などの部位に発症しやすいとされています。

悪性度の高い腫瘍ではまず化学療法(抗癌剤治療)が行われ、手術が可能であれば腫瘍を切除します。発生部位・大きさによっては、四肢を切断せざるを得ない場合があります。

下肢切断をする原因は交通事故や労災など外傷性による割合が多いものの、腫瘍による下肢切断は年間数%かそれ以上の割合です。そんなにいるのか・・・と思うとともに、医療が進化していても大切断は免れないものなのかと、改めてがんの怖さを思い知りました。

治療が終わったあとも、再発や転移の有無を確認するために5年程度は定期的に外来で経過をみる必要があるそうです。
なかには、再発してさらに高位(短い部分)で足を切断する方もいます。
なかには、足を失うことを拒み、足を残す(温存する)選択をする方もいます。

温存という方法は、足を失わず生命も維持させることが目的ですが、かえって症状が悪化したり足が機能しなかったりと予後が良くないケースも多いそうです。未成年で骨肉腫になった方が、親の強い希望で下肢温存治療となり、結果悪化して亡くなられたという一例もあります。
闘病の末に下肢を切断するのはとても辛いことだと思いますが、「足を切断しても大丈夫なんだ。」と思えるような、手本となる義足ユーザーが日本にはたくさんいらっしゃいます。
そして義足に携わる人たちには、切断者を義足歩行獲得へと導く責務があります。

石川さんが事故後に足を切断するかもしれない状況に陥っていたとき、お兄さんから「動かない足なら無い方がいいんじゃない?」と言われたという話がストーリーででてきました。
とても素敵な声掛けだと感じました。
足を切断することすべてが負ではないと、私は思います。

p.s.
義足ウォーカーの更新が滞っております。現在石川さんは度重なる病気や手術と闘っています。石川さんが快復するまでは私の記事が更新されます。何卒宜しくお願い致します。

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