ソケットの話

大腿義足のソケットには、四辺形ソケット・坐骨収納型ソケット・MASソケット・NU‐Flex SIVソケットなどといった形状があります。そして差込式・吸着式・ライナー式などといった懸垂方法があります。
(2020年の日本義肢装具学会誌に載せられた野坂氏の文献→最新の義足の動向

以前、新潟在住のある義肢装具士さんからメッセージが届きました。主に僕のソケットに対する知識が浅いことを指摘され、苦言をいただきました。
例えば「カーボンだけの硬いソケットは時代遅れ」とか、ライナーについても、「ピン式は旧タイプで現在は吸着式がスタンダード」などなど。
↓実際のメッセージがこちら

ソケットの種類や材質などは変化しているものの、技術的には大きく進化していないと感じます。なぜなら、新しいものは”一定の条件を満たしていないと適合しないもの”が殆どだからです。

切断条件が悪い人や高齢者などに向けては作られておらず、条件が比較的良い人でないとまず作ることができないはず。それは身体条件にとどまらず、金銭面や法制度など諸条件が整った人だけが、試す機会があり適合する可能性があると考えます。
きっとどのソケットでもある程度は歩くことができて、さらに快適性や利便性を追求したい人に向けて新しいものが編み出されたのだと僕は思います。

現に僕は新しいとされるMASソケットやNUソケットは不適合です。
なぜなら断端が短いので、ピンありのライナー式しか懸垂方法の選択肢がないからです。しかもピンだけでは懸垂力が弱いので、懸垂帯として腰ベルトをつけているほどです。新しいタイプのソケットは、作りたくても試せないというのが実情なのです。
どなたか、ピン式ライナー以外で僕に適応するものがあるのならメッセージで教えて下さい。

ピン式ライナーが古いと言われても、僕はそれを使わないと義足を履くことも歩くこともできません。それを使って歩けるならば古い技術でも厭わないです。

本来であれば新しい技術こそ、条件など関係なく誰でも適合するものであって欲しいのですが…。条件が合う人なら試して納得のいく義足を作ってもらうべきで、義肢装具士もそこに尽力すべきだと思います。


僕は何人もの義肢装具士にお世話になりました。
やはりソケットは義肢装具士の腕にかかっていると常々思います。
どんな形状や荷重方法や懸垂方法であれ、結局はその義肢装具士の技術力でソケット適合が左右されます。

複数人の義肢装具士が、僕の両足のソケットをいくつもの形状で採型し、一度に履き比べない限りは本当の意味での比較ができないでしょう。
ある義肢装具士が作る坐骨収納型ソケットが良くても、別の人が作る坐骨収納型ソケットでは不具合が起こるかもしれない。人が作っている以上、必ず誤差は出るもので同じ人でも同じソケットは二度と作れません。

それくらいソケットは適合が難しく、また比較がしにくいものです。人の手で作りそれを評価するのも”人の感覚”だからでしょうか。
何が良くて何が悪いかは、人によって異なります。
普遍的な事実は、義足で歩けているかどうか。これに尽きると思います。

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