そのストレッチに効果はありますか?

みなさんは、ストレッチというとどんなものを想像しますか?

ここでいうストレッチとは、セルフストレッチやストレッチ体操ではなく、
理学療法士が関節可動域訓練として行うストレッチを指します。

実際にリハビリでストレッチを受けたことがある人、リハビリでストレッチをしている様子を見たことがある人、ストレッチを提供している理学療法士の人、いろいろいらっしゃると思いますが
ストレッチを受けたことがある一切断者として、「切断者が受けるストレッチに効果はあるのかどうか」という疑問を投げかけたいと思います。


僕は3か所で義足リハビリを受けて、ストレッチや筋トレを毎日のように行っていたことを不思議に思いました。本当に効果はあったのかな?と。

まず、素人なりに用語を調べてみました。
ストレッチとは、身体の筋肉を引っ張って伸ばすこと。
ストレッチにもいろいろと種類があって、代表的なのは動的なものと静的なもの。

関節可動域訓練とは、縮んでしまった組織を改善するなど、関節を正常な機能に近づけること。
これにも種類があって、他動的関節可動域訓練やモビライゼーションなど、多岐に渡る様子。

ストレッチにせよ関節可動域訓練にせよ、筋肉の柔軟性を高めて関節可動域を広げたり、呼吸を整えたり、緊張を整えたりと、目的はいろいろあるみたいです。
今回述べるストレッチとは、理学療法界でいう他動的関節可動域訓練を指していると思います。

でも、僕はすべてのストレッチ≒他動的関節可動域訓練を否定するわけではありません。
あくまでも切断者が運動前に横になって、理学療法士が手で関節(僕の場合は股関節)の堅いところをほぐしたあとに、関節を伸ばしたり広げたりするものに、意味があるのかを問いたいのです。

リハビリのストレッチで得られたい効果や目的というと、
「拘縮をとる」「拘縮を予防する」「怪我を予防する」「痛みをなくす」「姿勢をよくする」「歩容をよくする」…など、個人やその時々によって異なると思います。
運動機能制限がなく健常者と同じ体力を持っている切断者、すなわち僕のような切断者を前提とすると、ストレッチの目的は「歩容をよくする」「拘縮を予防する」といったあたりになると思います。

しかし、その効果は微々たるもので、効果があったとしても一瞬でしかないのかなと感じました。
むしろ、ストレッチをすることで疲労が増したり倦怠感を覚えたりして、直後のパフォーマンスが低下したこともありました。ときには痛くて次の日に熱が出たこともありました。

もちろん低活動で拘縮が強い方や、逆にスポーツをしている方には効果があるかもしれません。とは言え、ストレッチには効果がない、関節可動域訓練には科学的根拠がないという文献も多数拝見しました。

理学療法士の方はこれらを考えてストレッチをしているのでしょうか?
ストレッチを本来の目的ではなく、例えば「評価」「リラクゼーション」「雑談の時間」「点数稼ぎ」などと割り切ってしまうのなら、それはそれでありだと思います。(ありなの?)

でももっとその時間を別のことに充てるほうが有意義ではないですか?
ストレッチメニューを誰にでもしていたり、ルーティンにしていたりしませんか?
学校や現場で教わったことが真実だと思い込んで、当たり前になっているような気がします。

これを読んでいる方のなかには、「ストレッチは怪我を予防するためだ。大腿切断者は屈曲拘縮(足が曲がったまま硬くなる)がでるから、ストレッチはやるべきだ。」と主張される方がいると思います。

でも、僕はリハビリで義足歩行を獲得してからすでに3年が経過しています。
普段ストレッチをしてもらうことはなく、いきなり義足を履いて歩いています。
ストレッチをしていなくても、現に僕は歩けています。しかも、距離・歩くシチュエーションは、リハビリ時よりも圧倒的に向上しています。もちろん怪我もしていませんし、拘縮もないです。

例えると、僕は義足で歩くことは「食事」で、ストレッチや筋トレは「サプリメント」のようなものだと思っています。
義足を履いて立って体重をかけて歩くことは食事で、これに勝るものはありません。
本来は食事ですべての栄養を補うものです。

一方、ストレッチや筋トレはサプリメント、つまり補足程度のものです。
義足で歩くことが最大のストレッチであり、筋トレであると思います。

その筋トレというのも『義足で歩くための筋肉を鍛える』ものであって、ただの筋肥大では歩きに活かされないと考えています。

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